第140回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が15日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞は津村記久子さん(30)の「ポトスライムの舟」(群像11月号)に決まった。
「契約社員」「ワーキング・プア」の日常を描く津村作品は、雇用不安や金融危機を抱える世相への問題提起でもある。29歳の女性主人公は、化粧品の工場で、キャップのしまり具合を確認する仕事に就いている。時折、絶望感に襲われるが、女性の仲間と助け合いながら、前向きの姿勢は崩さない。
ユーモアあふれる関西言葉とともに、厳しい労働環境下での一つの生き方を提示している。「修正不可能な格差を是正すべきだ」。就職氷河期、転職を経てきた著者の言葉は重みを持つ。
贈呈式は2月20日午後6時、東京・丸の内の東京会館で開かれ、正賞の時計と副賞100万円がそれぞれ贈られる。【棚部秀行、内藤麻里子】
◇「大きく成長」津村作品
芥川賞選考委員の宮本輝さんは「非常につつましやかな生活を送る女性が、縁に動かされていく様子をてらいのない文章でよく描いている。こういう女たちの生活は、時代が変わろうとも文学的に不変だ。これまでの2作に比べて、文章力も小説としての組み立ても大きな成長が認められる」と述べた。
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090115-00000109-mai-soci
