デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)吉越 浩一郎
祥伝社 刊
発売日 2007-12-15
人間は基本的に怠け者だから時間がいくらでもあると思うと無駄な時間が増えるだけなのだ 2008-04-28
ビジネス紙で著名なトリンプ社の元社長、吉越氏のタイムマネジメント論である。
エッセンスは題名の通り、すべての仕事には締め切りを入れよ、ということである。
仕事のアウトプット=能力×時間×効率
という式に従うならば、個人の能力は一定だし、仕事時間が延びるほど疲れて効率は下がるものだから、時間を一定にして効率を最大化するしかないのだ、というのが吉越氏の主張である。しかしそうはいっても、現実にはどうしても時間内に仕事が終わらない。その原因として吉越氏は以下を挙げている。
・必要のない仕事を一生懸命やっている。
・集中して仕事のできない環境に置かれている。
前者はたとえば、社内向けのプレゼン資料や上司への報告など。後者は、割り込みや雑談の多い職場や無駄な会議がそれにあたる、という。吉越氏はトリンプの社長時代、残業が多い職場はボーナスをカットする、とか、毎日決められた時間には電話を取り次がないとか、かなりドラスティックな施策を実施したそうだ。「命ぜられた仕事をしあげる場合、 時間はいくらあっても余るということはない」というパーキンソンの法則というものがあるが、吉越氏も、
「人間は基本的に怠け者だから時間がいくらでもあると思うと(中略)
無駄な時間が増えるだけなのだ」p5
と書いていて、基本的なスタンスは同じである。
ホワイトカラーの生産性をあげる、ということを経営者の視点から書いているので、マネージャクラスにはおおいに参考になるが、現場で毎晩毎晩残業している一担当者に救いの手を差し伸べるようなものではない。むしろ現場の担当者にはとても厳しい自己管理を要求している。
欧米での経験が長く外資系企業で活躍してきた吉越氏の考え方は、トップレベル2割の従業員にはともかく、大半のごく普通の従業員にとっては「そんなこといわれても・・・」というのが正直なところだろう。吉越氏の思いとは逆に、時短の問題はやはり労働者個人でなんとかできるようなものではなく、トップダウンで断行しなければできないものなのかもしれない、と感じた。
今のように世の中の進み方が早いときに「知らなかった」ではさみしいですね。デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95) を読んで、新しい今のことを知ればいろいろなことに次の道が見えるかもしれません。
デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95) は自分の思っていることを確かめられますし、それより知らなかったことを知ることで対応も考えられるオススメの本です。
